実践記録・学び

AIでできることを広げるには?「作れた」で終わらせない越境学習の実践メモ

執筆:菅原隆志 公開:約4分で読めます

異なる分野をつなぎながら学ぶノートのイメージ
画像はAIで生成したイメージです。実際のお客様や案件の写真ではありません。

昨日まで「自分にはできない」と思っていたことを、AIに聞きながら少し試してみる。作って終わるのではなく、何が起きたのかを確かめ、次の仕事に生かす。

AIクライアントワークには、そんな学びの面白さがあります。

この学びを考えるとき、僕が参考にしている言葉が「越境学習」です。越境は、普段自分がいる領域の境界を越えること。ここでは、自分の慣れた仕事や知識の外へ踏み出し、違う分野の考え方に触れながら学ぶ、という意味で使います。

越境学習と、AIを使った仕事のつながり

オランダのユトレヒト大学の教育研究者、サンネ・アッカーマンとアーサー・バッカーは、2011年に、異なる活動の境界を行き来することと学習に関する文献を整理しました。

異なる領域の間では、考え方や言葉、進め方に違いがあります。その違いに気づき、相手とやり取りすることが、学びのきっかけになり得るという視点です。

これはAIクライアントワークの効果を調べた研究ではありません。僕が仕事を通じて、普段の自分の専門の外に触れ、学んでいる経験を考えるうえで、参考になる視点だと感じています。

AIを使うと、何を学べる?

例えば、文章を書くことが得意な方が、知人から小さなお店の紹介ページを相談されたとします。

AIを使うと、ページに必要な情報を整理したり、見た目の案を作ったり、分からない言葉を説明してもらったりできます。

ただ、AIが出したものをそのまま渡すだけでは、それがお店の目的に合っているか、スマートフォンで読めるか、掲載してよい情報かは分かりません。

「誰に何を伝えるページなのか」
「この案は、相手が使いやすいのか」
「確認できていないことは何か」

こうした問いを持つことで、文章を書く力に加えて、仕事の条件を整理したり、制作物を確認したりする視点にも触れられます。

「分かったつもり」を減らす3行メモ

全部を覚えようとすると、疲れてしまうかもしれません。まずは、仕事や練習の後に、次の3行を書くだけでも十分です。

  1. 1.今回、何を作ったか。
  2. 2.自分で確かめて分かったことは何か。
  3. 3.次に確認したいことは何か。

例:
「架空のお店の紹介ページを作った」
「スマートフォンでは、本文の余白が狭いと読みづらかった」
「次はリンクの行き先を一つずつ確認したい」

知識を大きくまとめるより、自分が実際に気づいたことを残す。その小さな記録が、次に何を調べるかを決める助けになります。

AIに聞けることと、人が判断すること

AIには「この言葉を初心者向けに説明して」「確認項目を挙げて」と頼めます。けれども、AIの答えが正しいか、お客様の希望と合っているか、使ってよい情報かは、別に確かめる必要があります。

分からない箇所を資料や公式の説明で確認し、それでも判断できなければ、知識のある人に相談する。AIの答えを受け取った後にも、人ができることがあります。

お客様の情報をAIに入力するときは、共有の許可や利用するサービスの条件を確認し、秘密情報や不要な個人情報を入力しないようにします。

疲れたら、立ち止まってよい

新しい領域に触れるときは、知らない言葉や判断が一度に増えることもあります。僕自身、AIでできることが広がる一方、考えたり確認したりする時間が増え、頭が疲れると感じることがあります。

疲れた分だけ成長する、という意味ではありません。無理に大きな案件へ進まず、一つの疑問を整理する、途中で休む、詳しい人に相談する。そうした選び方も大切です。

今の自分ができる小さなことを試し、次に必要なことを一つ知る。僕は、その積み重ねに、AIと仕事をする魅力の一つがあると考えています。

案件の中で何を確認すればよいか迷ったときは、月額相談で整理する方法もあります。まずは無料ガイドから、自分のペースで仕事の流れを知っていただけたら嬉しいです。

参考:S. Akkerman・A. Bakker「Boundary Crossing and Boundary Objects」(異なる活動の境界と学習に関する文献レビュー、2011年。オランダ・ユトレヒト大学の研究紹介、2026年10月28日確認)
https://research-portal.uu.nl/en/publications/boundary-crossing-and-boundary-objects/

参考:同論文の掲載元(英語。本文をすべて読むにはアクセス条件がある場合があります)
https://journals.sagepub.com/doi/10.3102/0034654311404435

参考:筆者の公開記事「AIでできることが増えるほど、なぜ頭は疲れるのか」(2026年9月18日公開、2026年10月28日確認)
https://note.com/s_monster/n/n1b72246995d6

この記事を書いた人

菅原隆志

Plus AIしごとサポート運営。AIを使ったWeb制作やシステムの制作・修正に取り組んでいます。自分で試し、確認し、お客様へ説明する中で得た経験を、初心者の方にも伝わる言葉でお伝えします。

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