AIを使うことは、お客様にどう伝える?信頼を損なわない説明文と確認事項

「AIを使って作ったことを伝えたら、不安に思われるのではないか」
そう考えるかもしれません。けれど、お客様にとって大切なのは、AIという言葉だけではなく、「何に使うのか」「誰が確認するのか」「自分の情報がどう扱われるのか」です。
利用する予定があるなら、相手の条件を確認したうえで、分かる言葉で説明しましょう。自分では作業しない部分を「すべて手作業です」と伝えたり、確認していない成果物を「問題ありません」と言い切ったりする必要はありません。
この記事では、Web制作を例に、AIの使い方を説明する文章と、事前に確認したいことを整理します。
「AIを使います」の一言に、3つの説明を添える
お客様が判断しやすいのは、次の3つが分かる説明です。
- 1.何に使うか:文章の下書き、構成の整理、プログラムの作成補助など。
- 2.誰が確認するか:内容、表示、動作などを、担当者がどの範囲で確認するか。
- 3.情報をどう扱うか:未公開資料や個人情報を入力する必要があるか、必要な場合は何を確認するか。
ただし、これらは実際に行うことに合わせて書きます。「人が確認します」という文も、担当者が確認できる範囲を超えて、完全な安全性まで保証する意味ではありません。
初めて説明するときの文例
【説明文の例:文章の整理や制作補助に使う場合】
「制作では、ページ構成や文章の整理、作業の補助にAIを活用する場合があります。お客様のご希望に合っているか、掲載内容や画面の表示などは、担当者が確認しながら進めます。
未公開の資料や個人情報を扱う必要がある場合は、共有・利用方法を事前に確認します。AIの利用についてご希望や制限があれば、お知らせください」
自分が実際に行わない確認を、文例に残したまま送らないでください。例えば、表示確認はできても、専門的なセキュリティ検査までは対応できないことがあります。その場合は「すべて安全だと保証します」ではなく、確認する範囲と、別途の検査が必要な場合を説明します。
相手がAIの使用に不安を感じたら
不安の理由を決めつけず、「どのような点が気になりますか」と聞いてみましょう。
文章の正確さが心配なのか、未公開情報の外部送信が心配なのか、契約上の制限があるのかによって、必要な確認は違います。
【返信例】
「ご不安な点をお知らせいただき、ありがとうございます。使用する場面と確認方法を具体的にご説明したうえで、ご希望に沿えるか確認いたします。利用条件に合わない場合は、そのまま進めず、別の進め方が可能か相談させてください」
お客様の情報をAIへ入力する前に
お客様から受け取った情報の中には、一般に公開されている内容のほかに、顧客名簿、連絡先、未公開の企画、管理画面の認証情報などが含まれることがあります。
まずは、情報を入れなくても作業できないか考えましょう。例えば、実在の店舗名を使わず、架空の名前に置き換えて、構成だけを考えることもできます。
実際の情報を扱う必要があるときは、次の点を確認します。
- ・お客様との約束や利用先の規約で、共有が認められているか
- ・AIサービス側のデータの保存・利用条件はどうなっているか
- ・その情報を入力する必要が本当にあるか
- ・個人情報や秘密を含めずに作業できないか
個人情報保護委員会は、生成AIサービスへ個人情報を入力するとき、利用目的に必要な範囲か、サービス側のデータ利用について十分確認するよう案内しています。情報の種類や状況により必要な対応は異なるため、迷う場合は共有せず、確認できる相手に相談しましょう。
AIの利用が認められない場合は?
募集条件や契約でAI利用が禁止されている場合、AIを使う方針のまま、その条件を無視して受注しないことが大切です。
自分の能力と体制で、禁止されていない別の進め方ができるなら、お客様に内容と費用を相談する余地があります。対応できない場合は、無理に引き受けず、丁寧にお断りします。
【返信例】
「AIの利用に制限があること、承知しました。ご希望の条件で対応できるか確認いたします。条件に沿った制作をお約束できない場合は、今回はお受けできないことも含め、改めてご連絡いたします」
また、仕事募集サイトごとに、情報共有や外部連絡に関する規約もあります。お客様の承諾と、プラットフォームのルールの両方を確認し、不明点が解消するまでは資料の共有や受注を保留しましょう。
説明するときの確認リスト
- □ 実際にAIを使う予定の作業を説明できる
- □ 自分が確認できる範囲を正確に伝えられる
- □ お客様がAI利用を認めているか確認した
- □ 仕事募集サイトや元契約に制限がないか確認した
- □ 個人情報・未公開資料を無断で入力しない
- □ 対応できない条件なら保留や辞退を選べる
誠実さは、難しい言葉を使うことではありません。相手が判断するのに必要なことを、隠さず、分かるように伝えることから始められます。
次の一歩
伝え方に迷うときは、まず上の文例を、自分が実際に行う作業に合わせて書き直してみてください。案件ごとの文章や確認事項は、Plus AIしごとサポートの月額9,800円(税込)の相談でも整理できます。実際の個人情報を送る前に、共有してよい範囲を確かめましょう。
参考資料・確認日:2026年10月28日
・個人情報保護委員会「クラウドサービスで提供されている生成AIサービスに関して個人データをプロンプトに入力する際の留意点」
https://www.ppc.go.jp/all_fad_index/fad2-3-3-q1/
・ココナラ「ルールとマナー」:取引情報、外部連絡などの禁止事項
https://coconala.com/pages/guide_rule